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第6回公認心理師試験の合格率の低さ [心理の資格]

第6回公認心理師試験の結果が発表された。

【令和5年6月9日14時】第6回公認心理師試験(令和5年5月14日実施)合格発表
https://www.jccpp.or.jp/shiken.cgi#exam_001_anchor_10

受験者数2,020人、合格者数1,491人、合格率は73.8%であった。私はその数字を聞いたとき、わが耳を疑った。「低すぎるだろ!」

確かに、昨年第5回の合格率48.3%に比べれば大幅に上昇したと言える。だがそれは、区分Gの人たちが合格率を下げていたからである。確かにGルートは合格率が低かった。第1回だけはGルートも7割を超える合格率だったが、その後は5割前後の合格率で推移した(第1回はおそらく科目の読み替えができずに区分Dで受験できなかった人たちがやむなく区分Gで受けたのだろう)。Gルートが合格率を下げている面があったのは確かであるし、それがGルート批判の根拠の一つでもあった。

そのGルートがなくなった第6回は、合格率が当然9割を超えると予測していたのである。9割に達しなかったとしても、余裕で8割は超えてくるはずだ。医師や看護師の国家試験の合格率は9割程度である。新卒の合格率が9割半ばに達し、それを既卒が下げているという構図は他と共通しているが、新卒の合格率が高いので、既卒の合格率が低くても、全体の合格率への影響は大きくないのである。

公認心理師試験も、第6回からは大学院卒の人たちが受験者の大半を占めるようになる。当然同じような合格率になるはずだと思っていたのだが、予想に反して7割しか受かっていないのである。いったい何が起きたのだろうか? 発表資料からその内情を探ってみよう。

公認心理士の受験資格取得ルート

受験者数が約2,000人というのは予想通りであった。第5回試験は約3万3千人も受験したが、Gルートを除けば受験者数は2,142人に過ぎなかった。だから第6回もその程度になると予想したし、実際その通りになった。

第6回からは特例処置ではない区分AおよびBが受験者の中心を占めると思っていたのだが、AとBを合わせても60人しか受験者がいなかった。だがこの区分の合格率は9割を余裕で超えた。公認心理師を輩出する教育機関としての面目を保ったと言える。

区分Gに代わって受験者の中心を占めたのが区分Eである(実に約4分の3がEルートの人たちだ)。これは学部については科目の読み替えを行い、大学院では公認心理師のカリキュラムを学んだ人たちだ。第3回試験から登場した彼らの合格率は平均約8割である(新卒既卒を分けた数字は発表されていない)。この数字を高いとみるか、低いとみるかは人それぞれだろうが、心理学科が医療系の資格に引けを取らない教育を授けている・受けていると主張したいのなら、9割に達しなければならないだろう。

区分Eよりさらに合格率が低いのは、区分D1およびD2の人たちだ。これは公認心理師法の施行時点(2017年)には心理系の大学院を卒業していたか、あるいは在学中で、科目の読み替えによって受験資格を得たケースだ。この人たちは第6回の受験者の2割にすぎないのだが、合格率は5割以下とGルート並みで、全体の合格率を引き下げている。ただ、Gルートの場合には、次から次へと新しい受験者が現れたのに対し、Dルートの場合には新卒で受験する人はもういないはずだ。つまり、いまDルートで受けている人たちは全員既卒で、複数回受験している人たちだけなのである。

まとめると、公認心理師試験は、新卒でも合格率がそれほど高くない上に、それが原因で既卒受験者の比率が高いことが全体の合格率を下げているのである。

地方の医大では国家試験の対策授業が念入りに行われているという。それは、医師が業務独占の資格で、資格を得なければ医業ができないからである。だから当然医学部同士、合格率を競うことになる。心理の場合は資格がなくても仕事はできるが、それでも心理の大学院はもっと国試対策を学生に念入りに施して合格率を上げるべきだ。なぜなら、合格率の低さは、高校生たちにその道を選ぶことをためらわせるからだ。

区分A(およびB)が受験者の中心になるのは、来年以降なのだろう。区分Eの人たちは遅くとも2017年の春までに大学に入学している。その人たちは順当に行けば2023年春に受験資格を得るはずで、それが今年の受験者の中心を占めたわけだ。(何らかの事情で学業が遅れた人を除けば)来年以降は新卒と言える人はいなくなり、区分Eの受験者は大幅に減るはずだ。

受験者が区分AとB中心になるであろう来年の合格率はどうなるのだろうか・・。

■こども家庭ソーシャルワーカーの資格制度は2024年度から

ところで、こども家庭ソーシャルワーカーの資格制度は見込み通り2024年度から始動するようだ。

【厚生労働省】児童虐待へ対応する職員らの資質向上に向けて認定資格https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230425-2664338/
> 「一定の実務経験がある保育士など有資格者が、国の要件を満たす認定機関の研修を経て、資格を取得する仕組みを2024年4月から導入する。」

新資格取得にインセンティブを 全国児童家庭支援センター協議会が要望
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c90d89c4133867402bea0a7771a15a06918be80
> 「同庁(こども家庭庁)は来年度から新たにこども家庭ソーシャルワーカーの資格の養成を開始する」

所管はこども家庭庁なのか。

追記:
厚生労働省の検討会のとりまとめが、案取れになっていた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo_554389_00026.html
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Gルートは誰のためのものだったのか? [心理の資格]

公認心理師試験は2018年から開始された。2022年の第5回試験までに、約12万人が受験し(延べ人数)、約7万2千人が合格した。受験区分は区分Aから区分Gに別れているが、受験者・合格者とも区分Gが最も多く、受験者が約8万8千人、合格者は約4万7千人だった。区分Gが受験者の約7割、合格者の2/3を占めたわけだ。

常にかすまびしいTwitter界隈では、区分Gへの批判も数多く見られた。その批判を一言でまとめるならば「本来なら受験資格のない人に受験資格が与えられている」というものだ。

そうは言っても、試験は行政上のルールに従って行なわれているのだから、本当に受験資格のない人が受験したならばそれは「不正」である。だが、批判はそのような不正行為に対してのものではなく、「ルールがおかしい」というものが大半だった。

公認心理師試験制度は長年かけて練り上げられたものだし、その過程の中で心理業界の意見を反映する機会はいくらでもあった。当時の臨床心理士の人たちの関心は「医師の指示条項」にばかり向けられていた(少なくとも外野からはそう見えた)。いざ制度が施行されてみたら、予想外の問題が生じてきたというのなら、自分の属する業界団体を通じて監督官庁に申し入れるべきことだ。Twitterで批判を繰り広げてみたところで制度が変わるわけではないし、批判している人ご自身も区分Gでの受験だったりするので、もはや批判のための批判になってしまっていた。

批判の声が大きかったのは、区分Gでの受験者・合格者が実数・比率とも大きかったためだろう(数が少なかったらたぶん無視されていた)。今回はこの「Gルート批判」について考えるエントリである。

■経過措置は誰のためのもの

SUKIMA GENERATIONSというサイトのトップページに、このような記述があった。
これまで心理職のスタンダードであった「臨床心理士資格」ホルダーが「公認心理師資格」を受験できるように5年間の移行措置期間が設けられ・・・
このサイトの趣旨は、公認心理師試験制度の隙間で受験資格を得られなかった人たちへのサポートを考えることである。その趣旨に対しては特に反対意見は持っていないが、このような「事実に反する」記述が掲載されているところに、臨床心理士の人たちの区分Gの解釈が表れている、と言ったら言いすぎだろうか?

5年間の特例処置(すなわち区分G)は、現業者のためのものであって、臨床心理士資格者のためのものではない。

「臨床心理士資格者は受験資格が与えられるべきである」とか、「臨床心理士の養成課程に準じる教育を受けていない人に受験資格が与えられるのはおかしい」という意見は、区分G制度への誤解から生じてきているのである。

■区分G

国家資格の創設時には、現業者をどうするかという問題が生じてくる(必ず生じてくると言っても過言ではない)。創設後は、その資格の養成課程で教育を受けるのがスタンダードなルートになる。だがすでにその分野で仕事をしている人たちにとっては、学校に入り直すのは現実的な選択ではない。そこで、その不公平を救済するために、現業者に対する経過措置が設けられることになる。

こちらのエントリで、公認心理師の受験区分について説明した。
公認心理師の区分Gについて

再掲になるが、医療系の資格の場合には、
 ・現に業として行なっている者(5年以上)
 ・大臣の定める講習会を受講
 ・経過措置は5年間
というのがスタンダードになっており(さらに高卒以上を要件とするものもある)、公認心理師資格もそれに準じたものとなった。なので、自分も含めて多くの人が職場で現業の証明書を書いてもらい、現任者講習会を受講することで区分Gの受験資格を得たのである(高卒の証明は要らなかった)。

この要件の中に、臨床心理士という資格を保持しているかどうかは含まれていない。したがってこの経過措置(区分G)が臨床心理士資格ホルダーが公認心理師資格を受験できるように作られたものでないことは明らかだ。

■その他の区分

chart_201912.gif

区分ABは、公認心理師法の施行以降に公認心理師の養成課程を経て受験資格を得る、といういわば「正規」のルートだ。

区分Cは、外国の大学・院などで教育を受け区分A・Bと同等以上の知識・技能を有すると認められる人たち。

区分D1/D2/E/Fには細かな違いがあるが、いずれも「科目の読み換え」によって区分A/Bと同等の養成課程を経たと見なすことができる人たちのルートだ。これによって、法の施行以前に日本の大学・院で心理学の教育を受けた人たちが受験資格を得ることになった。その多くが臨床心理士としての教育を受けた人たちであっただろうが、だがあくまでもこれらの区分は「公認心理師の養成課程と同等の教育を受けた」と見なせる人たちのためのものだ。

臨床心理士の資格をもってして受験資格に結びつける区分は用意されていないのである。

これは国家資格の制度設計としては当然のことで、正規の養成課程を用意し、それを経るか、それを経たのと同等の知識・技能を有すると認められる人たちに受験資格を与えるのである(例外は現業者のみだ)。

このルール設計が完璧だとは言わないが、「ルールがおかしい」と主張できる論拠はない。公認心理師と、臨床心理士が別の資格であることを踏まえれば、公認心理師の受験資格と「臨床心理士になるための教育を受けたかどうか」は無関係であることが分かる。

だが、この制度設計のなかには、不満を招く問題点がいくつかあったのは確かである。それについて見てみよう。

■心理学の教育を受けていない人に受験資格が与えられた

これは区分Gについて多くあった批判である。区分A/Bにしても、臨床心理士にしても、大学+院で6年の養成課程を経るのに対し、現業であったというだけで大学で心理学を学んでいない人たちにまで受験資格が与えられたというのは不公平に感じるのだろう。

公認心理師試験であっても、他の国家資格試験であっても、資格創設時の現業者に対する経過措置というのは「特例」である。特例が不公平感の対象になるのはやむを得ないところではある。

6年間の教育を受けずに受験資格を得られたわけだから、区分Gには「お得感」があった。現業者向けの講習会の費用は数万円で、これは大学+院で6年間教育を受ける費用に比べれば圧倒的に安い。そのお得感が大量の受験者・合格者を産み出し、その大量さが不公平感を増大させた、という面はあるだろう。

現業者に対する特例に対して、大学で心理学を学んだなどのある程度の心理学の教育をすでに受けていることを要件にできなかったのか? という疑問を持つ人もいた。だがそれは、法律には遡及適用しないという原則があることを考えると、法施行時点で現業であるという以外の条件を課すことは難しかろう(現業者のなかでの不公平を作り出してしまうからだ)。

結局、不公平には感じられるだろうが、制度設計としてはこれはこれで正しいと言わざるをえない。

■心理学の教育を受けていない大量の合格者によって、この資格の社会的評価が損なわれかねない

確かに、区分Gでの4万7千人ほどの合格者のなかには、心理学のたいした素養を持たない人もいるだろう。そういう人たちの言動によって「公認心理師資格はレベルが低い」という評価が世間から与えらると心配する人たちもいた。

だが、本気でそう考えているのなら、世間知らずと言わざるを得ない。世間の評価は、専門的教育を何年間受けたかどうかではなく、実際に役に立っているかどうかによって行なわれる。どこの医学部を出たかは医者の間では重要なことかもしれないが、患者の側では腕が良いか悪いかで医者を評価する。

心理畑の人にとってみれば、どれだけの教育を受け、どれだけの素養を持っているかが大事かもしれないが、世間はそんなことを気にしてはいない。クライアントが気にしているのは、自分が良くなるかどうかであり、カウンセラーがどこの大学院を出て、誰に師事しているか、それとも高卒のたたき上げなのかは気にしていないのである。

なので、これは無用な心配と言えよう。

■現業の認定が甘すぎる

医療関係の資格の場合、現業とは基本的に医療機関で働いていることなのだが、公認心理師の場合は、医療だけでなく、福祉、教育、司法、産業にまで分野が広がったため、その範囲も広いものとなった。

様々な法律を根拠法として設立された様々な施設が対象になるため、実務経験証明書には3桁の分野施設コードを記入するようになっていた。

そこで、例えば「学校で生徒の相談に乗っていた教師」だとか「福祉施設で利用者の相談に乗っていた職員」だとか「更生保護施設で虞犯少年の相談に乗っていた職員」とかが、現業者として認められることになった。果たしてそれが妥当なことかどうか・・という疑問が提示されていた。

現業とは、公認心理師法第2条1号から3号までに掲げられている業務に就いていることだ。その業務とは、要支援者に対する「心理状態の観察・分析」「心理に関する相談・助言・指導」「関係者に対する相談・助言・指導」の三つだ。これらの業務が週に1日以上あれば現業期間として認められたのだから、かなりハードルが低かったと言えるだろう。スクールカウンセラーは週1回勤務というケースが多いことも考えると、ハードルを上げるわけにはいかなかったのかもしれない。

そして、それらの業務が心理学的な専門性を持ったものかどうかを判断する基準は示されていない。また、虚偽あるいは不正な証明によって受験したとしても、合格した心理師の登録が取り消されるだけで、証明者に罰則があるわけでもない。そのことが、この判断を甘々にしてしまった可能性はある。勤務実績がなかった、みたいな明らかな虚偽は別として、行なっていた支援が心理的な支援だったかどうか、というのはあとから判断しにくいものだ。

ただ、多くの分野の施設・機関が対象になったということは、それだけ多くの分野で公認心理師が活躍することを期待されているということでもある。そして、そうした分野において期待されている心理的支援の専門性は、心理畑の人たちが自分たちの専門性だと見なしているものとはかなり食い違いがある

その食い違いを無視して、他分野の人たちが行なっている心理的支援は専門性が低いと見なすのは、独善的であるだけでなく、心理職の活躍できる範囲を自ら狭めていると言える。

すでに公認心理師資格を得た人も、これから新卒で受験して公認心理師になる人も、心理支援を専門とする機関で働ける人は一部だけで、多くは上記のような分野で心理の仕事に就くことになるだろう。心理に限らずどんな分野であれ、大学で身に付けたことが現場でそのまま役に立つことはほとんどない。現場ごとに専門性があり、それを身に付けた上で、素養として持っているものをどのようにして現場で生かしていくかが問われるのである。

現業の認定に甘さがなかったわけではないが、現場で必要とされている心理支援の専門性にも目を向ければ、非専門的な業務を現業として認めたわけではないことがわかるだろう。

■なぜGルート批判が生れたのか

Gルート批判のもとには「臨床心理士には(あるいは臨床心理士になるのと同等の教育を受けた者には)公認心理師の受験資格が与えられるべきで、それ以外の人には与えられるべきではない」という考えがあるのだろう。

現実には臨床心理士であっても(あるいは臨床心理士になるべく教育を受けている人であっても)公認心理師の受験資格が与えられない人がいて、その一方でそうした教育を受けていない大量の人たちに受験資格が与えられた。

この自分たちの理想と法律の現実のギャップがGルート批判として噴出した、と見て良いだろう。批判の内容は様々だが、批判の根源には理想と現実のギャップがあるのだ。

公認心理師資格は、もとは臨床心理士の国家資格化を進めた結果として誕生した資格である。政治的影響力を持つ医師会側は、医師の監督下で働くコメディカルとしての医療心理師の資格化を求めた。そこで、この二資格を一つの法律で実現すべく(二資格一法案)作業が進められた。そのまま実現していたならば、大学院レベルの臨床心理士と、高卒+専門学校レベルの医療心理師という二つの国家資格ができていただろう。

ところが、詳しい事情は分からないが、臨床心理士の国家資格化は途中で取りやめになってしまった。かといって、医療心理師だけでは医療以外の分野をカバーできない。そこで、二つの資格の中間的な性格をもった公認心理師が制度化されることになったわけだ。

したがって公認心理師資格は臨床心理士資格の後継ではなく、新しい資格として創設された。臨床心理士制度との連続性がないのは当然のことなのだが、そこに何かしかの連続性を期待しているからこそ、前述のような理想が生れ、その理想が不満をもたらしたと言える。

もし仮に、臨床心理士の国家資格化を諦めずに、実現できていたとしたら、そこには従前の臨床心理士制度との連続性がある程度確保され、受験資格が与えられる人と与えられない人の基準も、公認心理師資格とは違ったものになり、Gルート批判のようなものも生じにくかったに違いない。

それでもあえて臨床心理士の国家資格化を選ばなかったのだから、そのような不満というデメリットよりも、国家資格化しないことによるメリットのほうが大きいと判断したからだろう(それだけ二資格一法案は心理側にデメリットが大きかったわけだ)。Gルートに対する不満は「施行後に予想外に生じてきた問題」ではなく、あらかじめ予想されていたことも十分考えられる。予見されていたにもかかわらず、他のことを優先させるために「やむを得ないこと」と判断された、というのが真相ではないだろうか。

不満はあれどもこれが現実的に最善の選択だった、ということなのだ。

■スキマ問題の解決は・・・

さて、先頭で紹介したサイトで取り上げられているスキマ問題は、他の国家資格の創設時にも起きてきたことだ。現業の期間が5年に満たないために受験できない、というのは救済しようがない。

また、臨床心理士の課程を選んだために、公認心理師試験の受験資格が得られなくなったという人たちもいる。資格創設前には、先行きがどうなるか分からない時期があったのだから、彼らは資格創設のドタバタに振り回された被害者とも言える。現状では臨床心理士の資格だけでも心理職として働くのに特に不利にはなっていないようだが、先のことはわからない。

こういった人たちをまとめて救済する制度を作るというのも悪いアイデアではないと思う。この人たちに共通しているのは、実際に心理の仕事に就いているか、今後就くつもりであるということだ。

それならば、社会福祉士の受験ルートにもあるように、○年間の実務経験+○年間の通信制養成課程の組み合わせで受験資格を得られる仕組みを作れば良いのではないだろうか。そうすれば働きながら公認心理師資格を目指すことができる。実務経験があるのだから実習は免除すばよいし、さらに、すでに大学等で履修済みの科目(あるい読み換えられる科目)があれば、その科目は履修免除にすることもできる。

実はこのブログでアクセス数がダントツに多いのが
放送大学だけでは公認心理師になれない
というエントリだ。そのことからも、大変多くの人が、社会に出てから公認心理師を目指すことに魅力を感じていることが分かる。

そのような制度を作れば、スキマ世代を幅広く救済できるだけでなく、働きながら資格取得を目指すという人たちにも門戸が開かれることになる。多くの社会福祉の学科が、大学教育を行なうだけでなく、そのような通信課程を運営することで学科を繰り回している。今後もいっそう激しくなる少子化の時代に、心理の学部・学科を残していくためには、同様の戦略が有効なのではないだろうか。

現在の公認心理師・臨床心理士の制度の問題は、大学+院を経るのに大変高い学費が必要になるにも関わらず、専門職として収入が低い状態に置かれている人が多いことだ。そのような魅力のない状態が続けば、早晩この仕組みは維持できなくなる。だが、大学で濃密な教育を行なうという仕組みは残す必要がある。そのために大学とは別の受験ルート(通信養成課程)を作り、大学に併設するということも有効なのではないだろうか。

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どんな人が公認心理師試験を受けたのか? [心理の資格]

第5回の公認心理師試験の合格発表から約2週間後の9月4日に、日本心理研修センターから「受験申込時における調査の集計結果について」という発表があった。
http://shinri-kenshu.jp/topics/20220907_2207.html

第1回から第5回の受験申込み時の書類にあったアンケートの集計結果である。
アンケートの内容は、実務経験の長さ・保有資格・最終学歴・職業領域・勤務先の種別・主たる心理業務の内容・勤務体系(常勤・非常勤)である。アンケートへの回答率はいずれの回も8割以上である。

ざっくりExcelシートに集計してみた。
https://d.kuku.lu/5badca242

■保有資格から

保有資格を見ると、臨床心理士が、
79.8%→26.6%→14.2%→7.1%→2.3%
と最初は8割を占めていたものが、回を追うごとに急激に減少している。
臨床心理士の人たちの大半は、最初の2回で合格していったのだろう。
第1回の区分Gの比率が約5割であることからすると、臨床心理士であるにもかかわらず区分Gで受験せざるを得なかった人も多かったはずだ(たぶん1万数千人)。

では、受験者の中から急速に姿を消していった臨床心理士の代わりに、第2回以降はどんな人たちが受験していたのだろうか。

まず、教育関係――教員としての資格を持っている人および大学などで教員をしている人――の割合は、すべての回で3~4割を占めていた。常に1/3は教育関係者だったわけだ。

次に、保健医療関係の資格(医師・看護師・保健師・作業療法士)を持っている人であるが、
4.2%→10.2%→15.5%→20.4%→28.2%
と、どんどん増えてきた。ただし、医師資格者は常に1%内外である。
また、保健師は必ず看護師資格も持っているはずだ。
それを踏まえると、保健医療関係者の割合は最終的にも2割を少し超えただけだったのではないだろうか。

福祉関係の資格(精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士・保育士)は、
17.8%→34.8%→41.6%→48.4%→53.1%
と、第2回以降は一大勢力になったのだが、これも注意が必要だ。三福祉士は複数の資格を持つ人も多いことを踏まえると、福祉関係者の割合は最終的にも1/3程度だったと思われる。

そして、その他の資格(内容不明)と資格無しという人たちが、毎回2割程度存在していたようだ。これはおそらく、これまで挙げた資格を持っておらず、なおかつ心理の仕事(カウンセラーなど)をしている人たちであろう。

ざっくりまとめると、
教育関係が3割(主に教師)
医療関係が2割(主に看護師)
福祉関係が3割
臨床心理師以外の心理職が2割
といったところだろうか。

おそらくこのような比率になることは、受験制度の設計時に想定されていたはずだ。もし想定と極端に外れていたとするなら、途中で何らかの修正が施されるはずだからである。

■合格者の中の臨床心理士の比率

ともあれ経過処置のある5年間は終わった。これまでの5回の試験に約12万1千人の受験者があり、そのうち約5万6千人が合格した。

一方、臨床心理士は昨年までに約4万人の合格者がいる。歴史ある資格でもあり、5年ごとの更新も必要なので、登録者数は3千~4千人ほど少なくなる。さらに、臨床心理士でも公認心理師試験を受けなかった人もおり、もちろん合格率は100%ではない。それらを踏まえると、臨床心理士で公認心理師資格を得た人は、おそらく3万人前後であり、3万人を切っている可能性の方が高いと予想する。

というわけで、第5回までの公認心理師試験の合格者の中で、臨床心理士とのダブルホルダーが半数を少し超える程度になったと思われる。


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過去問の学習の仕方 [心理の資格]

公認心理師試験は、基本的に過去問を勉強していれば合格できる、という話をしていたところ、過去問をやったけれど歯が立たなかったという反論をいただいた。

あまり詳しく事情を聞いていないのだが、どうやら過去問の勉強の仕方を知らないのではないか、と思われるフシがある。そこで、過去問の勉強の仕方を書いておこうと思った。

例として、第5回公認心理師試験の午後の第89問を取り上げる。正解は②である。



たぶん心理学について学んだことがなくても、④⑤は除外できるだろう。ギリシャ・ローマ神話についての大ざっぱな知識があれば③も除外できる。残された①②から一つを選べば、50%の確率で正答できる。そこで「正答できたから良かった」と安心してしまうのでは、何の学習にもならない。①を選んでしまって、自己採点して間違いと分かり、これは単純接触効果であるという知識を身に付けられれば良いのだが、そのためには、まず間違えなければならない。

過去問をやるときには、なるべく間違えた方が良い
(正答して喜ぶのは愚か者のすることである)

さらに、それぞれの選択肢についてテキストを調べてみる(基本的には索引をひけば良い)。

①の傍観者効果は、何らかの苦難にある(暴漢に襲われているとか、道に倒れている)人を目撃したとき、目撃者が一人ならその人が救助の行動を起こす確率が高いが、目撃者が多いと行動を起こす確率が下がるという現象。(自分以外の誰かがやってくれるという期待が起きるのだろう)。

②の単純接触効果は、接触の回数が多いものに好感を持つという現象。(毎週観ているテレビドラマの主題歌が好きになるとか)
自分の顔は、鏡で左右反転した像を見慣れているので、写真に写った(左右反転していない)自分の顔に違和感を感じるのである。

ピグマリオン効果は、教師から期待されている学習者の成績が向上するという現象。似たようものとしてホーソン効果というものもある。

自己中心性バイアスとは、自分の知識や経験を元にして相手の心情を推し量ってしまうことで、自分が推測した相手の気持ちと実際の相手の気持ちとのあいだにずれが生じることである。(相手はきっとこう感じているに違いないと思っても、実際の相手の気持ちは全然違ったりする)

セルフ・ハンディキャッピングとは、自尊心を守るために、失敗しそうなときに自らに悪条件を課すこと。(苦手な試験の前に勉強するのではなくゲームで遊んでしまって、勉強できなかったから試験に落ちたのだと自他に言い訳する)

このようなことを、一問一問繰り返していくのである。各選択肢を調べておけば、自分が除外した選択肢についても、それについての知識を身に付けることができる。

もちろん、テキストを全部勉強すれば、もっと知識が身につくだろうし、それが勉強の王道であろう。しかし、試験の合格という目的を達成するためには、このような過去問勉強法が効率が良い。なぜならば、テキストの中にある情報が一様に試験に出されるわけではなく、試験に取り上げられやすい情報もあれば、そうでない情報もあるからだ。

自動車運転免許の学科試験と違って、過去問とまったく同じ問題が繰り返し出題されるということはない(と思った方が良い)。だが、各選択肢の内容まで学んでおけば、幅広く対応できる。

このように過去問を勉強するのだ、と説明したら、「とてもそんな面倒なことはやってられない」という人もいらした。面倒に思うのなら、一日一問ずつやるなどの方策を考えた方が良いだろう。

ちなみに、ネットで調べた結果は安易に信用しない方が良い。間違った、あるいは偏った説明がされているページもあるし、最近のGoogle検索は精度が悪く、そういうページが検索上位に上がってくることがあるからだ。

受験のテクニックを使って合格することには批判もあるのは承知している。その分野の勉強をきちんとすべきなのはもちろんだ。だが、その分野の勉強をきちんとしたとしても、試験に合格できなければ資格を得られないのだから、テクニックも大事なのである。
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放送大学だけでは公認心理師になれない [心理の資格]

現在私は放送大学で心理学の勉強をしている(資格を取ってから勉強するという泥縄式である)。

昨年の10月に、「学生へのお知らせ」に、こんなお知らせが掲載された。

大学院における公認心理師対応カリキュラムの設置の見送りについて
https://www.ouj.ac.jp/hp/o_itiran/2021/1027.html

放送大学の大学院に公認心理師対応カリキュラムは設置されない、というお知らせであった。

すでに社会人になった人が公認心理師を目指す場合に、放送大学で学ぶというのは魅力のある選択肢だった。働きながら通信で学ぶのは容易なことではないが、福祉系の資格の場合には働きながら通信制の養成課程で学んで受験する人も多い。心理の資格にも同様のルートがあるのは良いことだと思われる(ただし、そのためには通信で学ぶ年数が相当長くなるが)。

放送大学が大学院でのカリキュラムを設置できない理由は、要件である合計450時間の実習を行なうことが難しいからだという。450時間は長いな・・・。

例えば社会福祉士の一般養成課程では、実習は180時間以上と決められていて、24日間(あるいは16日間+8日間)で実施するところが多い。一ヶ月仕事を休んで実習施設に通うのは大変だ。勤務先の理解を得るだけでも容易なことではないだろう。ただし、福祉の資格を通信課程で取る人の多くはすでにその分野で何年も働いて実習免除の要件を満たしていることが多く、実習を受けるのはたいてい他分野からの転職組だ。

ところで、新型コロナの影響で多くの施設で実習者を受け入れることが難しくなっており、福祉系の大学では学部生の実習先を確保できなくなっている。やむなく学内に模擬病棟を作って実習を行なうことを認めてもらったという話を聞いた。

450時間となると、少なくとも60日間、つまり3か月は必要だ。学ぶ側も、学ばせる側も、負担が重い。だから、設置見送りはやむを得ないことかもしれないが、それによって、放送大学の公認心理師のカリキュラムが学部部分だけになったのは残念なことだ。学部卒業後に、他の大学院に進むか、数少ない認定施設での実務経験を積まないと受験資格を得られないのだから。

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ちなみに、放送大学には臨床心理士対応のカリキュラムはあり(こちらは大学院も対応している)、そちらの実習は合計240時間である。実習時間だけを比較すれば、公認心理師になるために求められる実習時間は、臨床心理士になるための実習時間より長く、2倍に近い時間が求められているのである。

公認心理師のほうが長いとは知らなかった。
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第5回公認心理師試験の状況予測 [心理の資格]

第5回公認心理師試験の状況を予測してみる。第5回試験は2022年7月頃に実施される予定だ。

公認心理師試験の受験資格者は、大きく三つに大別できる。

ア)指定の科目を大学・大学院で心理を学んできた人
イ)法施行以前に大学・大学院で心理を学んだ人
ウ)大学・大学院で心理を学んでいない現業者

ア)の人たちは第6回以降の試験に登場するので、第5回まではイ)とウ)の人たちだけだ。

イ)の人たちは、科目の読み替えができれば、区分D1/D2/E/Fで受験でき、読み替えができない人たちは区分Gで受験せざるを得ない。ウ)の人たちは区分Gとなる。

■最初にイ)の人たちが大量に受験した

2018年の第1回試験では、区分D1と区分Gのそれぞれに約17,000人の受験者があった。その多くがイ)に該当する人たちであっただろう。さらには臨床心理士の資格を持つ人たちだったと思われる。そして、その多くが合格した(区分D1の合格率は86%)。合格できなかった人たちも翌年以降に再受験して合格していったはずだ。そのことは、区分D1の受験者が、第2回では約3,500人、第3回では約1,400人と急減したことから裏付けられる。区分Gで受験した人たちも、同じように大半が合格していったと思われる(区分Gの合格率は73%)。

つまり、臨床心理士で、公認心理師資格を取得するつもりの人は、ほとんどが第2回あたりまでに合格していたというわけだ。

■第2回以降はウ)の人たちで占められた

それに替わって、第2回以降の受験者の大半を占めたのがウ)の人たちだ。現業であることの証明さえ得られれば、数万円の費用と数十時間の講習を受けることで受験資格が得られる。これは大学と院で心理を学び直すのに比べれば、費用も時間もずっと少なくて済むわけで、臨床心理士という資格を持たない現業者にとっては魅力のある選択肢となった。

というわけで、初回の現任者講習はイ)の人たちで占められたが、2回目以降はウ)の人たちで埋まるようになった。そして、区分Gの合格率は第2回で42%に急落した後に、第3回が50%、第4回が56%と徐々に持ち直してきている。

区分Gで合格した人が増えてくると、いままで興味のなかった人たちも受験意欲を持つようになる。なんだそんなルートで心理の国家資格が得られるんだったら受けてみよう、と思う人たちが出てくる。それは、公認心理師資格の認知度と好感度が上がったゆえとも言える。また(公認会計士や司法書士試験のように)合格率が数%という難易度ではなく、頑張って勉強すれば十分に受かりそうな気持ちにさせるだけの合格率だったことも大きかった。

第4回までの総合格者数は約56,000人である。仮に、第2回以降の区分Gでの合格者全員がウ)のタイプだとするとその合計は約27,000人。たいへんにざっくりとした推論だが、これまでの合格者のなかでイ)とウ)の比率はほぼ1:1と考えられる。

■第5回を予測する

では第5回試験はどうなるだろうか? 区分C/D/E/Fの受験者は、第4回と変わらないだろう。変化があるとすれば区分Gだ。

第2回と第3回での区分Gの受験者は1万人を少し越える程度だったが、第4回では約18,000人へと増えた。これは区分Gが第5回までの時限措置であることが意識されてきたことが影響したのだろう。また、新型コロナの影響で、現任者講習がオンラインで実施できるようになったことも後押ししたはずだ。費用も会場で受けるよりはやや安く、受講時間もある程度は自由になったので、受講のために仕事を休む日数を減らせたからである。会場の確保をしなくて済むぶん、募集定員も増えていた。

第5回向けの現任者講習は2021年中に行なわれたが、その募集定員の合計は約20,000人だった。また、第4回の区分Gでの不合格者は約8,000人で、このふたつを合計すると約28,000人となる。この人たちが全員第5回試験を受験したとすると、区分C/D/E/Fの人と合わせると、第1回(約36,000人)に迫る人数が受験することになるだろう。

仮に第5回の区分Gの合格率が5割だとすると、区分Gで約14,000の合格者がでることになる。イ)とウ)の比率は大きくウ)に傾くことになるだろう。それが公認心理師制度の未来にどんな影響を与えるのかは分からない。

第5回の試験のための会場確保は大変だろうから、複数確保される会場のなかには交通が不便なところが確保される可能性もある。経験的には、早めに申し込んだ方が、便の良い会場に割り当てられる可能性が高い。あらかじめ受験申込みに必要な写真や書類や受験料の準備を進めておいて、申込期間が始まったらすぐに申し込んでしまうことをお勧めする。

知り合いが数人受験の予定で、彼らの合格を願うばかりである。

■答え合わせ (2023/2/22追記)

区分C/D/E/Fの受験者は第4回と変わらないと予想したが、区分D1+D2の受験者が1,097人→338人と減少した。

区分Gでの受験者を約28,000人と予測したが、31,154人と予想より多かった。第3回以前に受験した人たちの再受験が意外と多かったのかもしれない。ちなみに区分Gの合格率は55.7%だった。

ちなみに受験した知人は合格した人あり、受験放棄した人ありと様々だった。

第6回の公認心理師試験は2023年5月14日に実施される。経過措置だった区分Gがなくなり、区分A/Bの人たちが登場してくる。受験者数や合格率には少々関心があるので追いかけてみるだろう。

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公認心理師試験の難易度 [心理の資格]

■試験問題にチャレンジ

2021年9月19日に実施され、10月29日に結果が発表された、第4回公認心理師試験の問題を解き、自己採点をしてみた。

午前編
https://utsubotsu2.blog.ss-blog.jp/2021-12-11
午後編
https://utsubotsu2.blog.ss-blog.jp/2021-12-12

結果は168点だった。これは昨年実際に受験したときの161点より多い。
自宅でリラックスして受験したことで、試験会場で緊張しながら受けるよりも点数が伸びたのかもしれない。

しかし、まったく試験勉強をしてないなかで点数が上がったことを踏まえると、
今年(第4回)の試験問題は、昨年(第3回)の試験問題より難易度が低かった
と見なして差し支えないだろう。

だとすれば、今回は合格基準点(基本は60%=138点)が上方向に調整され、143点になったのもうなずける。

公認心理師試験は、合格基準点が第1回から第3回まで138点で変わらなかったので、今回の調整に驚いた人もいたようだが、毎年のように調整が行なわれる社会福祉士や精神保健福祉士の試験を見ていた私からすれば、むしろ調整があったほうが自然に感じる。年ごとに試験問題の難易度の差があるのに、合格基準点を一定にしてしまうと、試験の公平性が失われてしまうからである。

■事例問題は得点源

さて、問題を解きながら、午前の問題よりも午後の問題のほうが楽だと感じたが、それは点数に現れた(午前78点・午後90点)。

公認心理師試験は、知識問題が116問で各1点、事例問題が38問で各3点となっていて、知識問題:事例問題の点数比率が116:114とほぼ一対一になるように作られている(これは第4回までの実績であり、今後変更される可能性もあるが)。

予備校や受験塾の先生方が書いている講評を読むと、知識問題で足りない得点を、事例問題で補っている人が多いとある。私もご多分に漏れず、今回は知識問題の正答率が62%だったのに対し、事例問題が84%と好調だったので合格点を超えた(昨年の受験の時もそうだった)。

それを踏まえると、

この試験に落ちている人は、事例問題で点数を稼げていない

ということなのだろう。

区分Gの受験生にとっては事例問題は得点源になるだろう。現場の経験が生きるからである。実際の経験はなくても、普通の職場なら行なわれている研修(ハラスメント防止や引きこもり対応)で得た知識は使える。

■ごっつぁん問題・ばらけ問題

問題の各選択肢に対する回答の分布を見ていてわかったことがある。

ほとんどの人(90%以上)が正答を選ぶ問題がある・・・これをごっつぁん問題と呼ぶことにする。いわゆる楽勝問題というやつで、みんなにとっての得点源である。

その逆で、回答が各選択肢にばらけて、正答率が十数%という問題もある。これはばらけ問題と呼ぼう。これは難問であるがゆえに、正答がわからない人が多く、当てずっぽうに選んだ結果として、ばらばらに分布したと思われる。

その中間で、正答率が60%ぐらいというものもある。試験問題としては、これが理想なのだろうが、そういう問題を量産するのは難しいので、ごっつぁん問題とばらけ問題を混ぜ、その比率を調整することで試験全体の難易度を調整しているものと思われる。

同じ不正解であっても、ばらけ問題を外したときは「この問題がわからなかったのは私だけではない」と自分を慰められるし、ごっつぁん問題を外したときは、その問題の正答はちゃんと憶えておく必要があるということだ。

■公認心理師試験の難易度

以前、社会福祉士と精神保健福祉士と、国家試験の難易度を比べてみたことがある。

社会福祉士と精神保健福祉士の難易度
https://utsubotsu2.blog.ss-blog.jp/2021-03-12

結論は、あまり差はないが、精神保健福祉士試験のほうが少し難易度が低い(易しい)とした。PSWは精神保健の分野に特化していることと、2科目少ないというのがその根拠だった。

では、この二つの福祉士資格の試験と、公認心理師試験は、どちらが難易度が高いだろうか?

カリキュラムの共通性が少ないから、そういった面から比較はできないし、受験する人の層も違うだろう。私自身の受験体験と、今回のチャレンジを元にして考えるしかない。

合格基準に達する点数を取る、という観点からすれば、

社会福祉士試験・精神保健福祉士試験・公認心理師試験の間に、難易度の大きな差はない

というのが私の結論である。もちろん、これは今回も含めた各試験での自分の得点、という限られた根拠から導いた結論にすぎないのであるが。

第4回の試験について、はたまた職能団体の分裂や上位民間資格について、書きたいことはあるが、それはまた次回。おそらく来年になってしまうだろう。

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第4回公認心理師試験問題にチャレンジ(午後編) [心理の資格]

2021年9月19日に実施された「第4回公認心理師試験」の試験問題にチャレンジする企画。前回の午前編に続き、今回は午後の問題にチャレンジ。



問78 秘密保持義務違反

① × 自傷他害の恐れ
② × 児童虐待の通報
③ × 情報共有の範囲内
④ × 自傷他害の恐れ

消去法で → ⑤ ○(96%)



問79 遊戯療法

これだけの情報で、どこから手を着けるかだが・・・。⑤ソーシャル・スキルの問題と言いたくなるが、お布団に入ってくるお父さんという設定がリアルの反映だったりするとたいへんなので、最も優先的に考慮するべきなのは → ③父親の行動 ○(95%)



問80 療養上の世話又は診療の補助を行う業種

看護師以外に候補がない → ① ○(92%) 午後の問題のほうがラクな感じがしてきた



問81 エリスが創始した心理療法

エリスって誰? まあ①か④だろうなあ。カンで → ④論理情動行動療法 ○(72%)

意外と当る



問82 観察効果

なんだっけ? ホーソン効果?
選択肢についてはサッパリ知識がないが、t検定は一個しかないから除外して、観察者がいる群・いない群と分けた上で、各群のなかで二種類の作業をさせているので、「被験者間」でも「被験者内」でもなく、①の「混合」かな。2要因だと思うので④は無視する。

→ ① ○(12.4%) 皆様の解答がたいへんばらけております。



問83 バランス

バランスを取るためのものだと思うのだが、それを何と呼ぶか・・知識がないなりに考えてみると、②バランス化というのはもっともらしいが、動詞として使うとき変な感じがするので、④を選んでおく → ④

×正答は⑤カウンターバランス(56%)



問84 色覚の反対色過程

①中心窩と③桿体細胞は、目の構造のことだから除外。⑤の色覚異常のことは関係ないだろう。②残効と④恒常性が残るが、たしか②という話が高校の生物の授業であったようななかったような・・・ → ② ○(37%) これも解答ばらけ問題



問85 フレーミング

① × 連言ではないだろう
② × あらかじめ確証があるわけではない
③ × 何かにアンカーしているわけでもない
④ ?
⑤ ?

⑤のヒューリスティックも違う気がするので、消去法で → ④ ○(52%)

表現を変えるための「リフレーミング」という言葉があったな



問86 認知言語学

お手上げ。あてずっぽうで →⑤ ×正答は②(40%)

あてずっぽうは外れました



問87 マズローの欲求段階説

生理的欲求が一番下になってる図を見た気がする → ③ ○(84%)



問88 感情理論

さっぱりわからん。⑤末梢と④中枢があるけれど、両方取って → ③2要因説 ○(44%) やったあ、当ったぁ!



問89 情動について

情動と感情ってどう違うんだっけ?

① ? 下垂体後葉ではなかったような
② × 不可逆ではないだろう
③ × 不快な感情に限らないだろう
④ × 情動失禁とは感情が失われた状態ではないはず
⑤ ? ミラーニューロンと感情の関係ってあったかな

ミラーニューロンは共感に関係するって話があったような気がするので⑤にしておく → ⑤ ○(29%) ばらけてますが、さすがに③を選んだ人は少ない



問90 親密な対人関係

えー、わかんない。それっぽい名前の①社会的絆理論にしとくか → ①

×正答は③社会的交換理論(17%)

大外れ! たた僕と同じ①を選んだ人が57%もいたという事実には慰められる



問91 道徳性発達理論

知識がない。お菓子をくれるのは報酬であろうから → ⑤報酬と取引への志向性 ○(79%)



問92 サクセスフルエイジング

下流老人になりそうな自分には縁がない言葉

①防衛機制と②ライフイベントは違うだろう。③④⑤のどれか・・・④のタイプAってなんだろうな・・。ソーシャル・コンボイってのも知らないが、なんとなくこれが良さそう → ③ ○(78%)



問93 ICF国際生活機能分類

意外と難しい

① ? 妊娠や加齢は除かれるのか?
② × 社会的モデルじゃなったかな
③ × 能力障害だけでなく環境側にも問題があるという
④ ? プラス面も加味して分類
⑤ × 相互に関係しているはず

①と④とで悩む。社会福祉士としてはICFを間違えると恥ずかしいので焦る。しかし分からない。えいやっとカンで → ④ ○(73%) ふー、正答できて良かった。助かった。



問94 ベイトソンの二重拘束

ダブルバインドは確か⑤メタ・コミュニケーションだったような曖昧な記憶が → ⑤ ○(35%) ばらけ問題



問95 手話による知能検査

知能検査は中学の時に受けた経験があるだけだが・・・②類似には発語が関係しそうなのでカンで → ② ○(42%) カンが冴えてます



問96 認知行動療法の拡張

CBTの問題は午前にも出たな。知識はないが、回答に統一性を持たせるために → ⑤ACT

×正解は①スキーマ療法(11.3%) 実に58%の人が僕と同じ⑤を選んだ



問97 心理療法の効果検証

→ ③ランダム化比較試験 ○(40%) ばらけてます



問98 アルツハイマー

① × 徘徊は初期ではないような
② × 錐体外路症状は統合失調症の薬の副作用
③ × 着脱衣の困難はかなり進行してからでしょう
④ × 昔のことは憶えているんじゃなかったっけ

消去法で → ⑤同じ話の繰り返し ○(78%)



問99 教育評価

さっぱりわかんねー。→ ① ×正答は④(11%)

最多回答は⑤55%で、解答速報に⑤を載せた先生方もいらした。捨てるべき問題もあるってことで。



問100 情状鑑定

聞いたことのない単語。カンで → ⑤ ×正答は④(56%)



問101 ストレスチェック

ストレスチェックについては何も知らない。

① × 義務を負うとすれば産業医ではなく使用者
② × 派遣元ではなく派遣先が義務を負うのじゃないかな
③ × 事前に全員から同意は要らなそう
④ × 2年に1回は少なすぎる気がする
⑤ ?

消去法で → ⑤ ×正答は②(58%)
これは常識なのか。憶えておこう。



問102 動機づけ理論

知識なし。なんかもっともらしいのは①なので → ① ×正答は④期待理論では、管理監督者の期待が高いほど、労働者の動機づけが高まると考える(32%)

自分が間違えた問題の回答がばらけていると慰めらる。



問103 メニエール

ヒツジの品種でそんな名前のがあったような・・・。

① × 一過性ではないだろう
② × 耳鳴りを伴う場合もありそう
③ × 持続時間が長いのもあるんじゃないかな
④ ?
⑤ × 過換気がきっかけの目まいは聞いたことが亡い

消去法で → ④ ×正答は②(75%) ありゃま

ヒツジの品種はメリノー種(角があるやつね)



問104 統合失調症

① × 睡眠欲求はナルコプレシー
② ○ 思考伝搬
③ × 頑ななこだわりは自閉症
④ × フラッシュバックはPTSD
⑤ × 不合理と理解しているなら強迫性障害

→ ② ○(96%) 五問連続不正解だったが、ごっつぁん問題で正答



問105 依存症

依存を生じやすいのはベンゾの一択 → ⑤ ○(83%)



問106 抗認知症薬であるドネペジルが阻害するもの

なんだっけ、認知症ってアセチルコリンが溜まるんだっけ?

じゃ → ④で ○(50%) ややばらけ気味の問題



問107 児童福祉法に定められていること

難しいな。他の法律で定められているものとは区別しろってことだな。これはかなり古い法律だったはず。だとすると③の貧困対策あたりかな。

→ ③ ×正答は④児童福祉施設における体罰の禁止(45%)



問108 少年法

① ○ あってそうな気がする
② × 少年院行きは刑事処分なのでは
③ × 刑罰の対象とならなくても審判の対象にはなり得るのでは
④ × 刑罰法令には限らないのでは
⑤ × 12才以下は違うような

いずれもうろ覚えだが、でも消去法で → ① ×正答は⑤(49%)



問109 同意の不要な個人情報

なんとなく → ④ ×正答は③法令に基づく場合(19%)

④を選んだ人が実に74%。



問110 チームアプローチ

不適切そうなのは⑤しか無さそう → ⑤ ○(98%) ごっつぁんです!



問111 認知的不協和

認知的不協和って何だっけ? わかんないので、カンで → ②

×正答は①顕示的消費(17%) これは回答が見事にばらけています。



問112 味覚

辛いというのは痛覚だったかも → ② ○(60%)



問113 インフォームドコンセント

情報を伏せてはいけない → ④ ○(92%)



問114 アウトリーチ

④ストレングスの強化はアウトリーチとは無関係だろう → ④ ○(84%)



問115 心身症

心身症は体の症状がでることを言うんだっけ? だとすると、⑤は精神的な症状だけみたいな名前なので → ⑤ ○(52%)



問116 災害支援者のストレス対策

話したくないことを無理に話させるのはまずいでしょ → ⑤ ○(98%)



問117 悲嘆セラピー

ワーデンについては知らないが・・・③だけ他と毛色が違う → ③ ○(62%)



問118 児童の緊急一時保護

① ○ 保護者に被虐待歴があるからといって緊急一時保護の要件にはならないだろう
② 以下略

なんか常識で解けた気がする→ ① ○(94%)



問119 学習障害

細かいことは知らないが、常識で考えて

① × 対象となる
② × 特定の領域で成績が低くなり得る
③ ○ 計画の立案困難だとは限らないでしょう
④ × 検査の対象となり得るでしょう
⑤ × ②と同様

消去法で③かな → ③ ○(80%)



問120 医療観察法

④の「退院は、入院施設の管理者が決定する」ってのは、社会復帰調整官や法律家の出番がない気がするので、これかな → ④ ○(63%)



問121 うつ病で減退しないもの

罪責感は増えるでしょ → ③ ○(92%)



問122 いじめ防止プログラム

いじめ事象の聞き取りをやるのはリスクでは → ② ×正答は③終了後に形成的評価(38%)



問123 倫理的ジレンマ

知識はないが、ジレンマが強まりそうなのは①しかなさそう → ① ○(92%)



問124 知覚の特徴

① × 欠損情報の補足は行なわれる
② × 継続した刺激には慣れるだろう
③ ○ 一つの刺激から複数の感覚を得る場合もある
④ ?

→ ③ ○(93%)



問125 研究倫理

① × 偏りを生む
② ○ インフォームドコンセントは必要
③ × 多重関係って、この説明とは違う意味な気がする
④ × 対象者の情報は個人情報でもあり得る

→ ② ○(78%)



問126 アルコール依存症

① × 不安障害との併存は多い
② ? 生涯自殺率は知らない
③ × せん妄になり得る
④ ? ビタミン注射はするけどB1だったかなぁ

②と④と判断つかないので → ④で ○(76%)

間違えなくて良かった



問127 大学生の学生相談

知らんし。

① ? 対人関係の悩みと学生生活の展開という言葉がなんか結びついていない
② ? 無力感と自分らしさもへんな対応関係
③ ? 卒業期に研究生活への違和感ってのは遅いのでは?
④ ○ まあ、これがいちばんしっくりくるかな

→ ④ ×正答は②(45%) ①を選んだ人が43%と多し



問128 自己効力感

わかんないので一番それっぽい①モデリング → ① ○(57%) 当たりました!



問129 心理検査結果

④が明らかに不適切 → ④ ○(97%)



問130 多様な働き方

①パートタイム労働者を正規雇用へ移行する制度ってのは、正規雇用に集約させるので多様性に反する → ① ○(83%)



問131 学校教育

① ? こども園って、学校教育法だっけ? 違うでしょ
② ○ 学習指導要領はる教育内容の標準
③ ○ 教育基本法は憲法の精神を・・・
④ ○ 学校保健安全法

自信はないが消去法で → ① ○(70%)



問132 ケース・フォーミュレーション

ケース・フォーミュレーション・・・初めて聞く言葉!

① ×
② ○
③ ?
④ × 仮説だけではない気がする
⑤ × 修正はありうるという話のほうが多いので

→ ①と③ ×正答は②と④(98%と82%)

転記ミスをしていなくても不正解だったか



問133 感染症予防

① ○ 全ての患者との接触において適用
② ? 防護具を脱ぐときは、手袋を最後
③ × 手洗いや手指の消毒は、省略しちゃだめでしょ
④ × 電子カルテ端末を使うときも手袋を外しちゃダメ
⑤ ? 防護具は、ナースステーション内で着脱

②の手袋が最後には疑問が残るので、→ ①と⑤

×正答は①と④(78%と27%) ②を選んだ人が83%



問134 社会的養護

①と④は間違いないだろう。③と⑤は×。②は知識がないから無視。

→ ①と④ ×正答は④と⑤(85%と40%)

なるほどパーマネンシとはそういう概念だったのか。



問135 パニック発作

実際に経験したのは②と⑤です → ②と⑤ ×正答は③と⑤(74%と98%)

当事者が間違える典型的な例



問136 事例:BPD

いかにもボーダーなエピソードばかりなので → ③ ○(90%) 事例はいきなり、ごっつぁん問題!



問137 事例:喫煙

先行事象→標的行動→結果事象、という理解でよろしいのだろうか?
だとすれば、タバコを吸った後に起こりうることは③の同僚と話をするかな。
先行事象→結果事象→標的行動ということなら、①喫煙所に入るかもしれないが・・・たぶん違う

→ ③ ○(10%) ばらけ問題



問138 事例:心理検査

心理検査の点数が出てくると、当てずっぽうにならざるを得なくなるが、エピソードと矛盾しないのは①顕在性不安かな

→ ① ○(66%) 心理検査の知識はないが、文脈から正解へたどりついた



問139 事例:教師へのコンサル

コンサルとしては②の必要があるか → ② ○(88%)



問140 事例:認知症

→ ②歩行障害かな ○(60%)



問141 事例:子どもに対する行動療法

どーすりゃいいんだ、こういうときは・・・ちょっと過酷な気がするが③エクスポージャーか?

→ ③ ○(72%) そうかエクスポージャーなのか



問142 事例:抑うつ状態

死なれると困るので②希死念慮

→ ② ○(87%) ニアリーごっつぁん問題



問143 事例:PTSD

⑤は不適切ではない気がする。④の他の消防士との参加できるものは必要だが「デブリーフィング」って何だろう、この言葉は適切なのか?

迷いはあるが → ④で ×正答は⑤(65%)

デブリーフィングは正しい用語であったが、⑤が先なのか。間違えて悔しい。



問144 事例:トラウマ

① × 発達障害という文脈ではない
② ? 曖昧な喪失って、えーと、行方不明で生きているか死んでいるか分からないって話?
③ ? 心理的リアクタンスって何?
④ ? トラウマには違いないだろう
⑤ × 愛着とは関係なさそう

とりあえず → ④ ○(93%) 意外とごっつぁん問題だった。



問145 事例:児童養護

① ×
② × 里親委託は解決になることもありそうだが、いきなりそこではなさそう
③ × 自分を理解して貰えない、という悩みとは違う
④ ×
⑤ ?

決め手に欠くが消去法で → ⑤ ○(94%)



問146 事例:いじめ

最初に確認すべきこと・・・イジメ対応だとすると⑤かな → ⑤ 

×正答は②(19%)

74%の人が⑤を選んだが、いきなり②ですか・・・⑤という速報を出した先生もいた。しかしいじめ対応の基本は②なのか。



問147 事例:荒れた学級

SSTかなぁ → ⑤ ○(66.1%)



問148 事例:裁判員

知識がない。しかし④は禁止事項なのかな。⑤は冷たすぎる印象。②③は自責の念を強めそう。消去法で → ① ○(67%)



問149 事例:睡眠薬を飲んだあとの異常行動

②せん妄でしょ → ② ○(97%) 事例はごっつぁん問題が多い。



問150 事例:

① × 本人の了解を取るのはオーケー
② ○ 引きこもりの原因を断じてはいけない
③ × エンパワメントはオーケー
④ × 精神障害の視点をもつのは大切
⑤ × チームであたることは必要

→ ② ○(97%) ごっつぁん問題連続!



問151 事例:睡眠不足

寝だめはいかんですね。私はしょっちゅうですけど。

→ ⑤でしょ ○(97%) ごっつぁん問題三連続!



問152 事例:場面緘黙

⑤は数少ない交流機会を減らしてしまう → ⑤ ○(99%) 四連続!



問153 事例:遁走と健忘

① × 安全確保は必要
② ○ 健忘の解消を焦る必要は無いのでは
③ × 器質性疾患の検査は必要そう
④ × 葛藤はあるでしょ

→ ② ○(96%) 五連続!



問154 事例:養育意思なし

この問題は話題になったので、事前に知識が入ってしまった。

① ○
② ○
③ × 乳児は無理
④ × 乳児は無理
⑤ × 母子セットで入るところだし

→ ①と② ○(94%と40%)

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第4回公認心理師試験問題にチャレンジ(午前編) [心理の資格]

2021年9月19日に実施された「第4回公認心理師試験」の試験問題と正答はこちらのページに発表されている。

第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表
http://shinri-kenshu.jp/support/examination/examresults_2021.html

この問題に解いて、自己採点してみよう、と思ったのには理由がある。
 自分の合格はフロック(まぐれ)だったのか。
 時間の経過によって自分の実力が落ちるのか。
 あるいは、試験問題の難易度が昨年とは変わるのか。
そんなことを判断する材料が欲しかったからだ。

なかなか時間が取れず、発表から一ヶ月以上遅れての取り組みになった。
時間は、本番と同じ4時間。ただし、連続して4時間の時間を割くことはできず、断続的に取り組んだ。

基本的に事前に問題も解答も見ていない。ただし、午後の最終問題(問154)だけは、先生方でも回答が割れる問題としてTwitterで話題になっていたので、妻との話のなかで話題にした。妻は何が正答なのかはすぐにわかったので、私も正答をあらかじめ知っていたことになる。他の問題は初見である。

ところで、それぞれの問題について、私の思考過程も記載したのは、

 心理学をあまり学んだことがない区分Gの受験者が、
 どういう思考で問題を解き、
 どの問題に正答するのか


ということについて、関心を持つ人がいるかもしれない、と思ったからである。

正答の番号の表示のあとに(○○%)という表示があるのは、受験対策塾のプロロゴスのサイトで自分の回答を入力すると、他の人たちがどう回答したのか選択肢ごとの比率がわかる。正答を選んだ人の率を表示した。n=1400弱である。



問1 公認心理法について

① × 厚労省と文部省の共管のはず
② ○ 信用失墜行為による取り消しはあったはず
③ × 合格しただけではダメで、登録が必要
④ × 名称使用の停止を命じられるということはないはず
⑤ × 再登録には再合格が必要なのでは?

→ ③ ×正解は②(84%)

いきなり間違えている。しかも○×は合っているのに転記ミス。 マークミスには気をつけましょう



問2 自損行為の疑われる場合、緊急に確認の優先順位の「低い」のは?

① × 自分の意志かかどうか→何かの被害かどうかは重要じゃね?
② × 致死的な手段かどうか→救命のためには高いんじゃね?
③ ? 自殺の意図の有無
④ ○ 背景のストレス→緊急性は低いじゃね?
⑤ ? 致死性の予測があったか

自殺の意図や予測の有無の優先順位はわからないが、背景情報は緊急性はないから → ④ ○(81%)



問3 連携について

① × 「できるだけ連携しない」はない
② × 情報の取り扱いについての合意は必須
③ ○ 情報共有することについてクライアントから了承得るのは当然
④ × 共有範囲は学内に限らない
⑤ × 当然×

→ ③ ○(99%)



問4 「全体」や「場」を重んじ、集団力学誕生の契機となった心理学

さっぱりわからん。全体や場を重んじるという言葉から、テキトーに③と④を除外し、②も違う感じがするし、①は古そうなので、消去法で → ⑤(67%)



問5 代表値

暗算で合計が33で、5で割った答えが6.6だから、これは算術平均だろう → ③(49%)



問6 因子分析に適した回答形式

① ? 順位法
② × 一対比較法
③ × 自由回答法
④ ? 評定尺度法
⑤ × 文章完成法

そんなの知らねーし。とはいえ、③自由回答法と⑤文章完成法はないだろう。②一対比較法もなんかヘンだ。残るは①と④だが、④よりも①順位法のほうがなんとなく、因子分析に適した語感がある → ①

×正答は④(64%)



問7 ゲートコントロール理論の対象としていた感覚

うーむ、聞いたこともない言葉だ。だが、感覚の理論を作ろうとするなら、③痛覚と④触圧覚のどっちかだろうが、③は痛くて実験対象が嫌がりそうなので、→ ④

×正答は③痛覚(32%)



問8 大人の攻撃行動を見ていた子どもが同じ行動を獲得すること

① × 洞察学習
② ? モデリング
③ × 嫌悪条件づけ
④ ? シェイピング
⑤ × オペラント条件づけ

なんだっけ? 条件付けは多分違うな。「洞察」は要りそうにないので、②か③で、語感で②を選んでおく → ② ○(90%)



問9 ロジャーズのパーソナリティ理論

① ○ 自己概念
② × 精神-性発達
③ ? パーソナリティ特性を5因子で
④ × 内向型と外向型に分類
⑤ × 外向?内向と神経症傾向という2軸

ロジャーズは戦後のアメリカの人だった気がする。だから②④⑤を除外。③は新しすぎる感じがするので、消去法で → ① ○(66%)



問10 失語と失書について

① × 無理だと思う
② ? 海馬は記憶に関するところだっけ? なんか違う気が
③ ○ 消去法で自身はいないけどこれ
④ × 失読のみならともかく
⑤ × 無理だと思う

→ ③ ×正解は①(17%)

失書でも写字は保たれるんだ・・・



問11 集団のなかでの錯誤

②集合的無知・③集団凝集性・④少数者の影響は、どれも意味を知らないが字面から違う気がする。残るは①集団錯誤と⑤内集団バイアスだが、⑤のほうがよさげであるので → ⑤

×正答は②集合的無知(19%)

四割の人が①集団錯誤を選んだ。私と同じ⑤を選んだ人も三割弱。



問12 知覚の老化

① × いや、鈍感になるでしょ
② ? 閾値ではなく識別機能とな・・そんな話は聞いたことない感じ
③ × 高い音のほうが聞こえないし
④ ○ 老眼とは近いところが見えなくなること
⑤ × 暗順応が早くなるなんて聞いたことないぞ

→ ④ ×正答は②(29%)

確かに匂いが分からなってきているが・・・四割の人が④の老眼を選んだ



問13 DSM-5の神経発達症群

⑤ ○ 発達性協調運動症/発達性協調運動障害 の一択で ○(62%)



問14 DSM-5の心的外傷およびストレス因関連障害群

① × 適応障害
② ○ ためこみ症 ・・・PTSDが原因のものがため込み症だったはず
③ × 病気不安症
④ × 強迫症/強迫性障害
⑤ × 分離不安症/分離不安障害

→ ② ×正答は①(68%) 余計な知識が邪魔をしたか・・・。



問15 TEACCHの説明

① × 青年期まではやらんでしょ
② × 生活の構造化はやるんだっけ?
③ × 被虐待児に限定しないんじゃ?
④ ○ 統一的な手段だった気がする
⑤ × こどもに視覚的手段を使わないのは難しそう

なんか、小さい子の支援手段だった気がする → ④ ×正答は②(79%)



問16 脳損傷者に対する神経心理学的アセスメント

検査の略号はさっぱりわからん

① ?
② ?
③ ?
④ × 数唱は短期的な記憶の項目じゃなかったかな
⑤ ?

よくわかんないから感覚的に → ⑤ ○(16%)

意外と当るもんだ。回答が大変ばらけていて、皆さん当てずっぽうだったことが分かる。



問17 サリバンの参与観察

① × 中立的であろうとするなら参与しない方向で
② ○ 参与した影響を考慮する
③ × 主観に現れてくるイメージってのは主観的過ぎる感じ
④ × 標準化された検査をするなら参与の意味がないのでは
⑤ × いまここは別の人だった気がする

→ ② ○(75%)



問18 負の相補性

知らんし。相補性ってゆーからには、②は違うな。③も違う気がする。①⑤は「負」ということではあるが・・・。相補性という言葉からすると④か? → ④

×正答は⑤敵意の応報(58%)



問19 産後うつ病

① × 出産のストレスで双極性障害のうつ相がでることもあるんじゃないの?
② ? 有病率は知らんけど、10%はありそうな感じ
③ × マタニティー・ブルーとは違うだろう
④ ? スクリーニングの方法は知らない
⑤ × 重症例もありそうだから

②④が残ったが、あてずっぽうで → ② ○(54%)



問20 職場復帰支援

① × 特にそんなことはないはず
② ○ 確信はないが消去法でこれ
③ × ふつう休職時に説明するでしょ
④ × 元の部署に戻るかどうかは状況次第
⑤ × 連携について同意が不要とは言えないだろう

→ ② ○(90%)



問21 児童養護施設

知識はない。意外と②なのでは? → ② ○(45%)

三割以上の人が④在所児童年々増加を選んだ



問22 感覚運動学習

① × 効果は永続的でしょう
② × 児童期に限らないでしょう
③ ○ 連合学習っぽいから
④ × 次の選択肢に全習法があるので、休憩を入れることとは違いそう
⑤ × 課題によって違うんじゃないの?

→ ③ ○(81%)



問23 ユニバーサルデザイン

よくわからないが、シンボル化されたデザインもあるので → ⑤で

×正答は③焦点化(29%) 解答がばらけていて、⑤を選んだ人が32%と多かった



問24 保護観察所において生活環境の調整の開始時期

⑤の仮釈放が決まった時期じゃないの?→ ⑤

×正答は③矯正施設から身上調査書を受理した時点(27%)



問25 ホルモンの作用

① ○ メラトニンが足りないと不眠という話はあったような
② × インスリンを打つと血糖値が下がりそう
③ ?
④ × プロラクチンで男でも乳汁分泌とかあったような気がする
⑤ ?

→ ① ○(71%)



問26 くも膜下出血

⑤脳動脈瘤の破裂かなぁ → ⑤ ○(72%)



問27 アルコール健康障害について

① × コルサコフは末期症状
② × 意識混濁で幻覚はないでしょう
③ × 認知症は脳の器質変化を伴うはず
④ ○ 震せん譫妄は長期化しない
⑤ × フラッシュバックは関係ないでしょ

→ ④ ○(57%)



問28 Ⅰ型糖尿病の高校生

⑤やせる目的でインスリン量を減らすことは危険な気がする ○(89%)



問29 せん妄

① × 幼児もあるでしょ
② × 注意の障害ではなさそう
③ × 介護施設では夜にせん妄が多いと聞いた気がする
④ × 補聴器関係ないでしょ
⑤ ○ 消去法でこれかな

→ ⑤ ×正答は②(64%)



問30 特定健康診査と特定保健指導

何が「特定」なんだろう? 産業分野かもしれない。④を選んでおくか → ④

×正答は③76 歳以上は特定保健指導(12.4%)
④一定の有害な業務に従事する者を選んだ人が49%と多かった。みんなそう思うよね。



問31 医療提供施設

えーと、②介護老人保健施設の略称を老健と言うのじゃなかったかな。そして老健は病院のはず。

→② ○(42%) ①保健所と答えた人が三割



問32 財産管理などの能力が十分でない人の支援

ソーシャルワークを学ぶと必ず出てくる③成年後見制度 → ③ ○(98%)ごっつぁん問題



問33 時間外労働の上限規制

なんだっけ? よく憶えていない(労働者失格)ので⑤かな → ⑤

×正答は②年360時間まで(42%)

100時間ぐらい時間外で働く人がフツーにいる業界にいるもので、それがフツーかとおもてしまたー



問34 スーパービジョンについて「誤っているもの」

⑤スーパーバイジー自身の心理的問題は扱わない → ⑤ ○(94%)



問35 アドバンス・ケア・プランニングについて「誤っているもの」

なんすか、それ? 問題文を読んで判断するしかないか。

① × 何らかの記録は必要
② × 親しい友人が入ることもあるでしょう
③ × 患者の医師の変化への対応は必要
④ ○ 本人の意思の確認は必要なはず
⑤ × ACP説明として違和感はない

→ ④(82%)



問36 会話の公理について「誤っているもの」

知らん。②場の雰囲気に配慮する、だげが他と違っているので → ② ○(25%)
③を選んだ人が36%



問37 心理検査の目的として「不適切なもの」

① ? 自己理解や洞察を目的として検査して良いの?
② ○ 動機付け目的の検査はマズイっしょ
③ × 支援の手がかり
④ × 支援の方針決定
⑤ × セラピーを深める道具

①か②だろうけど、②で → ② ○(83%)



問38 PERMAの頭文字の意味

① P はポジティブな感情
② E は力を獲得すること
③ R は他者との良い関係
④ M は生きる意味
⑤ A は達成

さっぱりわかりましぇーん。なんとなく心理学っぽくないのが「生きる意味」かな → ④

×正答は②(20%) ばらけている。私と同じ④を選んだ人が四割と最多だった。



問39 医療倫理の4原則に「該当しないもの」

① ? 正義 なんか怪しい
② ○ 説明 インフォームドコンセントとかいうので
③ ○ 善行 ヒポクラテスの誓いみたいな
④ ○ 無危害 これは大前提
⑤ ○ 自律尊重 これは大前提

→ ①で ×正答は②(49%)

そーいえば、インフォームドコンセントは近年のものか



問40 子どもの権利条約に「含まれないもの」

②残余財産の分配を受ける権利、ってのはなかった気がする → ② ○(48%)
三割の人が⑤を選んでいる



問41 MMSE を実施・解釈し報告する際に「不適切なもの」

そもそもMMSEって何?

① × 実際の回答内容を報告書に書いても良い気がする
② × 緊張や意欲についても解釈に含めて良い気がする
③ × もしMMSEが認知症の検査なら、カットオフを上回ったのなら、そう書くべきでは?
④ × 失点した項目を含めても不適切とは言い切れないのでは
⑤ ? MMSEがどんな検査か知らないけれど、筆談による実施はマズいかも

→ ⑤で ×正答は③(94%)



問42 適性処遇交互作用について「誤っているもの」

知らんなー。④がそれっぽいかも → ④  ×正答は⑤他者の援助と学習者の問題解決との中間領域にみられる(58%)



問43 学校にピアサポート・プログラムを導入する目的として「不適切なもの」

③学校のカウンセリング・サービスの幅を広げる機会を提供、が他と異質な感じがするし、カウンセリングサービスのためのピササポートってのはまずい感じがする → ③

×正答は②公共性と無償性を学ぶ(54%)



問44 免疫担当細胞に「含まれないもの」

うーむ、③赤血球は免疫に関係なさそうな、自信ないけど → ③ ○(60%)



問45 犯罪被害者等基本法について「誤っているもの」

知識はないが、①3年間まで、という時限性は相応しくない気がする → ① ○(89%)



問46 インフォームド・コンセントの取得について

① × 公認心理師が考える最善の方針に導く → 本人の意志の尊重が必要
② ○ 深刻なリスクについては頻度が低くても情報を開示する → リスク開示は必要
③ × クライエントにとって難解なので最小限に → 丁寧に説明する必要がある
④ × 心理療法を拒否したときの負の結果については強調 → 何を強調するか恣意的に選んではマズイでしょ

→ ② ○(97%)ごっつぁん問題



問47 コンピテンシー

コンピテンシーってなんだっけ、どっかで聞いた気がするが・・・
ともあれ、知らない単語を問われたときは、問題文から判断するしかない。

① × 直観を優先 → 非科学的
② ○ 要支援者への関わり方や対応の在り方を自ら振り返って検討する。
③ × 文化的背景への配慮は必要
④ × 実践ができるようになってから職業倫理を学ぶんじゃ遅いでしょ

消去法で → ② ○(98%)これも、ごっつぁん問題だったのか



問48 ストレンジ・シチュエーション法

心理の教科書で読んだ記憶が・・・忘れた。③は違う感じ。あとはどれもありそう。テキトーに → ④で ○(77%)



問49 いじめ防止対策推進法

知識がない。③かなあ、こういう計画ってマクロからミクロに降ってくるもんね → ③

×正答は②学校は、いじめの防止に資するものとして、体験活動等の充実を図る(58%)



問50 心理的支援活動の理論化

① × なんとなく違う気がする
② ○ これかなあ
③ × 事例論文に統計は要らないかも
④ ? リフレクシヴィティって何だろう? 統計っぽい言葉じゃない気がする

→ ②で ○(64%)



問51 個人情報保護

① × 本人の同意があれば第三者に提供できる
② ○ 個人情報に該当する
③ × 符号化したデータも当然含まれるだろう
④ × 安全管理の義務はある

→ ② ○(97%) ごっつぁんです。



問52 職場でのセクハラ

① × 相談したことを理由にした不利益な扱いは禁止
② × 同意があれば職場の同僚の聞き取りはできそうな気がする
③ × 労働者にもありそうな感じの義務
④ ? 「他社から」というところがなんか怪しい

→ ④で ×正答は②職場の同僚の意見を聴取はできない(30%)



問53 要保護児童対策地域協議会

要対協か・・・詳しくは知らないなぁ。①は対象を限定しすぎてる感じ、②も機関を絞りすぎている感じ、④は幼児に対して本人の同意を求めるのは無理がある感じ。

→ 消去法で③と⑤ ○(87%と85%)



問54 マインドフルネス

おお、マインドフルネスって仏教のなんかだったような。が、「認知行動療法」はどれか、というんだから・・・CBTであるものを選ばんといけないのか。③の弁証法的行動療法はCBTの発展だった気がする。①を選びたい気もするが、内観療法は戦前成立で、CBTは戦後じゃなかったかな。⑤は名前がCBTっぽいな。

→ ③と⑤ ○(28%と69%) ①や④を選んだ人も多かった。つまりばらけたということ。



問55 子どもの貧困問題

① × 教育機会への影響は大きいだろう
② ○ 貧困と虐待のあいだには関係がありそうな感じ
③ × 子どもの貧困問題は顕在化しにくいだろう
④ ? 生活保護の受給率は低そう
⑤ ○ 生活保護家庭出身だと生活保護になりやすいというのはあるだろう

→ ②と⑤ ○(96%と71%) ごっつぁん問題!



問56 特別支援教育コーディネーター

④はカタい。あと一つはどれだろう・・・もう一つは①か⑤か・・・こればっかりは知識がないと。⑤の外部の専門機関が計画を作るってころがひっかかるので、①と④ ○(62%と99%)

三割の人が⑤外部の専門機関が作成した「個別の教育支援計画」に従い・・・を選んでいる



問57 司法場面での面接

① × 心的再現より事実関係のほうが必要だろう
② × 視点を変えずに本人視点でいいのでは?
③ × 順序関係は面接側が再構成すべき
④ ○ 確信が持てる内容が好ましい
⑤ ○ 矛盾をそのままにされると面接者が後でまとめるのに困る

→ ④と⑤ ×正解は①と②(46%と52%)



問58 仕事と治療の両立の支援

① × 忙しいときこそ配慮が必要
② ? 個別の個性も疾病の特性と同じぐらい需要だろう、たぶん
③ ○ 基本方針はすべての労働者に周知していいんじゃない
④ ? 本人からの申し出以前から取り組むべき
⑤ × 再発後も対象から除外されるべきではない

③は固いとして、②と④のどちらにするか悩ましい → ④と⑤で

×正答は①と②(46%と52%) ⑤を選んだ人が52%と最多だった。

業務繁忙が理由の時には配慮は不要って仕組みなのか。うーむ。



問59 相関係数とパス解析

説明変数って何だっけ・・。それはともかく、論理的に正しい答えは③だけなのでは → ③ ○(64%)



問60 事例:育児中の孤立した母親

→③でしょ ○(90%)



問61 事例:幼児

②自己抑制か③脱中心化だと思うのだが・・・知識がないからなぁ。②はいかにもな名称なので、ひっかけ選択肢だと判断して → 消去法で③

×正答は②自己抑制(62%)
このように事例問題と言いながら知識を問うている問題もある



問62 事例:抑うつ状態

抑うつ状態だろうから、背中を押す①と⑤はまずい。発達障害を疑うべき情報はないので④も除外。③の保護者への連絡より先に、②だろう → ② ○(96%) ごっつぁん問題



問63 事例・・なのか?:学会発表

明らかなデータの盗用でしょう → ① ○(95%) ごっつぁん問題連発!



問64 事例:災害支援

PTSDが疑われるので、①と②は不適切。④は心理師が受け合えることではない。対症療法としても③はないであろう。ということで無難という理由で → ⑤ ○(97%) ごっつぁん問題三連発!



問65 事例:認知症への介入

→ ②の一択で ○(93%) ごっつぁん問題四連発!



問66 事例:心理検査点数

検査の点数を評価する能力があれば一発で解ける問題だろうが・・・それがないのが悩ましい。点数は無視して、「認知症ではない」という文脈っぽいので、③と④を除外する。②と⑤は状況的に無理があるので、消去法で → ① ○(94%) ごっつぁん問題五連発!



問67 事例:学級運営

①はそういう心理用語があるのかも知らない。④のピグマリオン効果では説明が付かない。残りは②③⑤についてはいずれも知識がないが、名称から想像すると②が一番無難か → ②

×正答は⑤アンダーマイニング効果(71%)



問68 事例:アクティブラーニング

アクティブラーニングについては何も知らないが、人間関係の改善や相互理解という目的からすると、それに役立ちそうな選択肢は⑤かな → ⑤ ○(80%)



問69 事例:初回面接

よく分からないが、少年に対する初回面接なら、関係構築を優先するのが良さそうな感じ → ④

×正答は①特別遵守事項を設定する(20%) 皆さんの解答がばらけてます。



問70 事例:多様性

各選択肢についての知識はないが、多様性だから⑤かな → ⑤ ○(90%) おおー、ごっつぁんです!



問71 事例:組織コミットメント

ほにゃららコミットメントって何だっけ。規範的コミットメントという話が多かったような気がするので → ①

×正解は④存続的コミットメント(57%)



問72 事例:女性の心身の状態

① × 身体のほてりは更年期障害
② × 一人娘の就職による空の巣症候群
③ × これから何をして良いのか展望が持てない
④ × 料理を若い女性に教える
⑤ ?

消去法で → ⑤ ○(76%)



問73 事例:グリーフ

グリーフケアの観点からは「娘の死を思い出さないようにする活動」を勧めるのは不適切では? → ②で ○(58%)
問74 事例:自殺発生後の緊急支援

イジメの有無の調査は心理師の仕事ではないだろうから →④ ○(92%) 事例問題にごっつぁん問題が多い気がする



問75 事例:高齢者の万引き

いきなり窃盗症を疑うあたり①が不適切か →① ○(88%) 楽な事例問題多し



問76 事例:PTSDか他のなにかか

ああー、心理検査の結果の見方がわからないので、PTSDの可能性が高いのか低いのかわからない。たぶん、検査の結果と母親の陳述、本人の主張との間の齟齬が重要なポイントなので → ④ ○(67%) 三割の人が①PTSDを選んでいる



問77 事例:児童虐待への対処

①はAとの信頼関係を損なう。②も同様。③もリスクがある。→ ④と⑤だろう ○(92%と95%) これもごっつぁん問題



午後の問題に続きます。
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公認心理師資格取得顛末記(その3 登録と職能団体加入) [心理の資格]

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その2の続き)
公認心理師の登録証が来た。

2021年
 2月12日(金)合格発表
 2月14日(日)レターパックで合格通知が到着
 2月16日(火)簡易書留で登録申請を郵送
 3月26日(金)レターパックで登録証が到着

登録の日付は3月5日となっていた。

日本心理研修センターのサイトには
「合格発表直後の2から3か月間は新規登録申請が集中するため,3か月程度かかる場合があります(その他の期間は通常2か月程度かかります)」
とあるが、実際には申請から登録まで2週間登録証が届くまで6週間ほどだったので、思ったより早かった。

[職能団体が二つある]

資格を取得したので職能団体に入った方が良いだろう。研修などの自己研鑽の機会が増えるだろうし、少額でも会費を払うことで政治活動の原資となれば良いのだから。

ところが、公認心理師の職能団体は二つあるのだ。そのことは以前から知っていたが、その話を聞いたときには、心底げんなりした。職能団体が分裂して良いことなど一つも無いのに、と思ったわけだ。もちろん、それぞれ言い分はあるのだろうし、素人はすっこんでろと言われるのが関の山であろう。しかし、もどかしい限りである。

二つの団体とは、
この二つの会の性格の違いは明確ではないが、ウェブサイトをざっとみての印象をひとくさり述べてみよう。

[公認心理師の会]

公認心理師の会は、公認心理師養成大学教員連絡協議会公大協)の有志が中心となって設立したと明言している。

この公大協は、公益社団法人日本心理学会の資格制度調整委員会が中心となって運営することになっている(→公大協の基本理念と組織概要)。

日本心理学会は、医療心理師の資格創設を要望していた団体のはずだ。公認心理師の会事務局が日本心理学会の事務局の中にあることからしても、日本心理学会の影響下にあるのは明白だ。

公大協という存在は、大学および院における公認心理師養成のありかたを議論するとあるので、カリキュラムにコミットするという目的があり、そのためにも現場サイドの職能集団を作る必要があったのだろう。
「研修会は厚生労働省と文部科学省の両方の後援を受けています」というのもいかにもな感じである。

入会金なし。年会費5,000円は職能団体としては格安ではないだろうか。
入会手続きも簡単で、ウェブ上で手続きをして、年度会費(4月から翌3月まで)を払えば入会完了だ。
「他の団体との重複加入も歓迎します」だそうである。

[日本公認心理師協会]

日本公認心理師協会は、公認心理師だけでなく、臨床心理士・学校心理士・臨床発達心理士・特別支援教育士であって、今後公認心理師試験を受ける意思のある人は正会員になれる。職能団体なのに資格者以外が正会員になれるのは珍しいが、「実績ある心理専門職には入会を認め、公認心理師の質の向上に協力・貢献していただく」とその理由を説明している(→一般社団法人 日本公認心理師協会について)。

賛助会員団体、協力・協賛団体には、上述の資格を認定する学会団体だけでなく、都道府県レベルの公認心理師会も名を連ねている。
事務局の住所は一般社団法人日本臨床心理士会の事務局が入っているビルと同じだ。

「多くの関連学会、民間の心理支援職能団体等との連携協力」をうたっている。

入会金10,000円は現在のところ無料(2022年3月まで延長された)。
年会費10,000円だが、公認心理師賠償責任保険にも自動加入となる。年度会費ではなく「入金月の翌月から1年間の会費」だ。
入会には理事会の審査があるので、決定まで最長1ヶ月かかる場合もある、と表記している。
これは公認心理師以外の資格者も正会員になれることと関係しているのかもしれないが、入れたくない相手がいると解釈するのは邪推だろうか。

[どうしたものか]

二資格一法案の頃の医療心理師と臨床心理士という区別が、そのまま職能団体にも持ち込まれてしまっただけの構図に見えなくもない。福祉士の職能団体は統合するという話がでている(→福祉新聞)。公認心理師の職能団体も将来的には統合されるべきだろう。しかし、今は二つあるのである。

これから毎年払っていくことを考えると、両方に入会するのはためらわれる。ましてや現在はそうした仕事から離れているわけだし。どうしたものかと、と思案しながら一日、また一日と過ぎていくのである。

タグ:公認心理師
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